神社の格付けやランキングについてご説明します。
神社の格付けやランキングについて
日本には数多くの神社が点在しており、その数、凡そ90000万社と言われています。
正確な数こそ把握されていませんが、全国のコンビニの店舗数が56000件と言われているため、その1.5倍以上の数が存在することになります。
すると「一番すごい神社はどこか?」や「神社のランキングは?」と考えたくなると思いますが、現在の日本において神社の「格付け」と言うのは存在しません。
インターネットを検索すると「神社の格付け」や「神社ランキング」みたいな情報がヒットしますが、そのような情報を掲載しているのは大半が素人。
間違った知識で掲載していたり、アフェリエイト(広告収入)を目的として掲載していたり、Wikipedia(ウィキペディア)を参考にして作ったようなサイトしかありません。
この事は格付けだけでななく「パワースポット」も同じです。
パワースポットの情報も同じであり、霊感のない普通の会社員が書いていることが大半であり、まるでパワーのない場所を「パワースポット」として紹介している記事を数多く見かけます。
正直、ネットの情報と言うのは殆どあてにならないのが実情です。
格付けの話で言えば、確かに一昔前までは神社の格付けがありました。
正確には、格付けではなく「社格」になりますが、それは第二次世界大戦の敗戦後に、GHQの「神道指令」により神社の国家管理および社格の表記が廃止されたために撤廃されています。
但し、完全に撤廃した訳ではなく、「表面的に廃止しただけ」と書いた方が正しいかも知れません。
いくら敗戦した国家と言えども、その国に根付いた考えを他国が変えることは出来なかったのです。
其れというのも日本には7世紀ころから社格の考えが存在しており、明治4年には「近代社格制度」により国内すべての神社を対象に等級分けがされていました。
簡単に言えば「1000年くらい前の(旧社格制度)」と「100年くらい前の(新社格制度)」が存在していた訳です。
尚、どちらの制度が上とかはありません。
旧社格制度と新社格制度では、考え方も判断基準も異なります。
ただ、どちらの制度においても三重県の伊勢神宮(神宮)に関しては、別格(最高位)として扱われていました。
その理由は権力です。
現代における神道(神社)の考えは、「日本書紀」や「古事記」と言った書物により伝わっています。
同時に、この日本書紀や古事記は、時の権力者がクリエーターに書かせた作品。
言ってしまえば、朝廷が自分たちの基盤をつくるために、自分たちで神話を描いただけです。
事実、日本書紀や古事記に出てくる神様の血筋は朝廷に繋がる話ですが、現実的に考えればそんな訳ありせん。
人が神になることも、神が人になることも、どちらも皆無。
そもそも神社の始まりは「自然信仰」であり、それが少しずつ自分たちが生まれ育った場所を守る「産土神(うぶすながみ)」などの考えに進化し、今の形に落ち着いています。
ですが、権力を持った方が優位に経つのは世の常。
神社の世界でも同じであり、朝廷との関わりが深いほど、社格も高いと言った傾向がありました。
また、神話をより神秘的かつ魅力的にすることもクリエーター(作者)には必須です。
神様が住む場所がひらけた都にあるよりも、自然に囲まれた場所にある方が神秘的に思えるのは、昔の人も今の人も思考は変わりません。
更に、外国からの侵略に備えることも大切です。
すでに4世紀にはヤマト政権が全国を統一し、朝鮮南部の加耶諸国と貿易を行っていましたし、5世紀には朝鮮半島に出兵し、高句麗と戦っています。
その後589年には、隋が中国を統一。
約400年ぶりに統一王朝が出現したことにより、日本も対応を迫られることになります。
つまり、都だと戦火の被害に遭う可能性がありました。
その意味でも都からは近く、日本海(朝鮮や中国)からは遠く、何かあれば船で出兵できる三重県に神宮を造り、朝廷の祖神となる天照大神を祀る必要があったのでしょう。
こうした歴史と一緒に歩んだのが神社になります。
当時のクリエーターが朝廷の祖神を天照大神と描いてしまった為に、「朝廷 = 神社」的な関係が出来てしまい、その延長線上で「社格」と言うものが生まれました。
同時に、それまで在った自然信仰や産土神は「八百万の神」に上書きされてしまい、名前も姿も別物になって今の形があります。
故に、間違っても【 社格 】=【 ご利益やパワースポット 】にはなりません。
分かりやすいところで言えば明治神宮がよい例ですが、明治神宮は「超」が付くほど社格が高く、初詣では毎年全国一位の参拝者数を誇る有名な神社です。
しかし、ご利益と言うものも感じなければ、パワースポットでもありません。
そもそも明治神宮と言うのは、明治天皇と昭憲皇太后を祀るために造られた神社であるため、完全に人間を祀っています。
当時の日本人は天皇を崇拝していたので、このような神社はとても貴重でした。
実は、私自身も天皇陛下を崇めており、その地位は永遠であって欲しいと願う一人です。
ですが、こと神社のお話に関しては別物。
私を頼ってくれる相談者様のためにも曲げることはしません。
事実は事実としてお伝えしますが、明治神宮は歴も浅く、上書きされる前の神様も存在しないため、ご利益も感じなければパワーも感じません。
このことは明治神宮に限らず、他の有名な神社でも同じです。
知名度の高い石清水八幡宮や賀茂別雷神社(上賀茂神社)をはじめ、多くの有名な神社が該当することですが、「朝廷 = 神社」的な関係があった為に【 社格 】=【 ご利益やパワースポット 】になっていない事が大半です。
そこが一番大切なため、以上を書いた上で先に進めさせて頂きます。
話を戻しますが、「1000年くらい前の(旧社格制度)」と「100年くらい前の(新社格制度)」によってつくられた指標の中に以下のような内容があります。
- 勅祭社(ちょくさいしゃ)
- 二十二社(にじゅうにしゃ)
- 官幣大社(かんぺいたいしゃ)
- 一宮(一之宮)
<勅祭社>
勅祭社とは、祭礼の際に天皇から勅使が派遣される神社のことで、この勅使は「天皇の代理」となるため、勅使は最上の扱いとして迎え入れられることになります。
全国に16社しか存在しないため、特別な神社だけに勅使が派遣されるとお考えください。
<二十二社>
Wikipediaでは「国家の重大事、天変地異の時などに朝廷から特別の奉幣を受けた」と書かれていますが、分かりやすく言えば、戦争や自然災害が起きた場合に祈りを捧げるための重要な場所になります。
特に、昔の人は雨乞いや豊作。災害や疫病などは存亡に係わる重大事であった為、それに対する対応を朝廷より賜った二十二社は特別だと言えます。
<官幣大社>
今から1000年以上前、平安時代には「式内社(しきないしゃ)」と呼ばれる社格の分けかたがあり、官幣大社 ⇒ 国幣大社 ⇒ 官幣中社 ⇒ 国幣中社 ⇒ 官幣小社 ⇒ 国幣小社、それと別格官幣社に分別されていました。
官幣大社はその中で最も社格が高く、現在では68社が該当します。
<一宮(一之宮)>
昔は同じ日本でも尾張国(信長)や甲斐国(信玄)のように分かれていたのですが、その地域で第一位の神社を「一宮」と呼び、次に「二宮」その次に「三宮」という序列がありました。
この制度は平安時代中期から鎌倉時代にかけて成立したとみられ、今でもその表記が残されています。
その他にも社格を判断する諸々の材料はありますが、有名なところでは上記4項目が挙げれます。
【 社格 】=【 ご利益やパワースポット 】ではありませんが、社格だけで考えれば以下の順列が考えられます。(※都道府県順)
━━(別格)━━
神宮(三重)
━━(超S級 社格)━━
鹿島神宮(茨城)
香取神宮(千葉)
氷川神社(埼玉)
明治神宮(東京)
熱田神宮(愛知)
近江神宮(滋賀)
石清水八幡宮(京都)
上賀茂神社(京都)
下鴨神社(京都)
平安神宮(京都)
春日大社(奈良)
橿原神宮(奈良)
出雲大社(島根)
香椎宮(福岡)
宇佐神宮(大分)
━━(S級 社格)━━
日吉大社(滋賀)
松尾大社(京都)
平野神社(京都)
伏見稲荷大社(京都)
八坂神社(京都)
大神神社(奈良)
石上神宮(奈良)
大和神社(奈良)
廣瀬大社(奈良)
龍田大社(奈良)
住吉大社(大阪)
丹生川上神社(奈良)
廣田神社(兵庫)
━━(準S級 社格)━━
大原野神社(京都)
梅宮大社(京都)
吉田神社(京都)
北野天満宮(京都)
貴船神社(京都)
━━(超A級 社格)━━
北海道神宮(北海道)
月山神社(山形)
安房神社(千葉)
日枝神社(東京)
三嶋大社(静岡)
富士山本宮浅間大社(静岡)
諏訪大社(長野)
気比神宮(福井)
建部大社(滋賀)
多賀大社(滋賀)
国懸神宮・日前神宮(和歌山)
竈山神社(和歌山)
熊野本宮(和歌山)
熊野速玉(和歌山)
丹生都比売神社(和歌山)
白峯神宮(京都)
吉野神宮(奈良)
枚岡神社(大阪)
大鳥大社(大阪)
生国魂神社(大阪)
水無瀬神宮(大阪)
伊弉諾神宮(兵庫)
赤間神宮(山口)
宗像大社(福岡)
筥崎宮(福岡)
阿蘇神社(熊本)
宮崎神宮(宮崎)
鵜戸神宮(宮崎)
霧島神宮(鹿児島)
鹿児島神宮(鹿児島)
━━(A級 社格)━━
気多大社(石川)
南宮大社(岐阜)
多度大社(三重)
熊野大社(島根)
大山祇神社(愛媛)
高良大社(福岡)
このような一覧が出来上がりますが、実際に参拝したことのある神社が大多数です。
その上で、やはり思うのが【 社格 】=【 ご利益やパワースポット 】ではない事。
社格が低くてもご利益が期待できたり、パワースポットの神社は多くあります。
逆に、社格が低いほうが、そう言った神社が多いかも知れません。
だからこそ、社格が高く、ご利益も優れ、高いパワーを感じられる神社はとても貴重です。
もちろん、その神社を知っているので、縁結びやその他のご依頼頂いたお客様にはそのご提案を差し上げます。